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2015.03.12

フェラーリ355GTS vs ロータス・エスプリV8 vs ポルシェ911ターボ

スーパーカーの世界で、ロータスは先輩格のフェラーリやポルシェに苦戦を強いられた。しかし実はエスプリV8がF355や933 ターボの好敵手であることを、スティーブ・サトクリフがここに明らかにする。

プリンセス・ダイアナがまだ存命で、トニー・ブレア首相が官邸で「すべては巧くいく」と約束(もしくは賢そうな予想)を語っていた1996年、ロータスに運が巡ってきた。まずニューモデルのエリーゼが絶賛を浴び、続いてエスプリは275km/hのトップスピードを誇る349ps・V8に進化。87年にピーター・スティーブンスによるデザインと、ロジャー&マットのベッカー親子が魔法をかけたシャシーで新型になったエスプリは、93年にジュリアン・トムソンの手でフェイスリフトされた。以来、ロータス・ファンが辛抱強く、静かに待ち焦がれていたのがこのエスプリV8だ。それ以前の4気筒ターボのエスプリに乗ったことのある人なら誰もが、「もう少しパワーがあればもっと良いクルマになる」と思っていたからである。ロータスが自社開発した3.5ℓターボの90度V8の到来は、どう控え目に言っても華々しいセンセーションだった。

価格はファン心理をいささか乱す6万0460ポンドで、燃費も16.5mpg(5.8km/ℓ)にすぎない。しかし肝心なのは、エスプリがついにライバルと伍して戦えるパワーを得たということだ。当時のライバルといえば、言うまでもなく味わい深くて美しいフェラーリF355。そしてポルシェが初めてターボに4WDを組み合わせた993型の911という、魅力あふれる存在もあった。スープアップしたエスプリは厳しい競争のなかに躍り出たのである。

しかしエスプリV8はかなり、良い戦いをした。F355のほうが価格は1.5倍ほども高いのに、走らせると少し遅い。膝が震えるようなハンサムさはフェラーリならではだが、エスプリほどドラマチックなデザインでもない。911ターボはF355よりさらに高価で(95年で9万3950ポンド!)、どう好意的に見ても、ミッドエンジンのライバルたちの長く、低く、そしてエキゾチックなスタイルには敵わなかった。

当時すでに911は誕生から32年を経ていたが、基本デザインを断固として変えない姿勢をまだ保っていた。996型以降の911とは違って、オリジナルの良さを残す最後の911として知られるのがこの993型だ。これを美しいと呼んだら言い過ぎだろうが、張り出したホイールアーチや「クジラの尾びれ」のようなリヤスポイラー、そして今回の試乗車の爽やかなリビエラブルーのボディカラーにはエレガントな印象がある。たとえこれがマッチョなターボエンジンを積んでいるにしても・・である。

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